小樽駅のすぐ横、急な坂道に活気が渦巻く場所があります。 私たち株式会社恵比寿桜が本店を構える、三角市場。一歩足を踏み入れれば、威勢の良い掛け声が飛び交い、北の海の宝石たちが所狭しと並ぶ。 冬になれば、日本海から吹き付ける猛烈な吹雪がトタン屋根を叩きます。自然の厳しさと、人の営みの熱気がぶつかり合うこの場所こそが、私たちの誇りです。
今でこそ、多くのお客様に行列を作っていただく4店舗を構えて、年商4億を超える規模まで成長することができましたが、その始まりは決して華々しいものではありませんでした。 創業の日、私の手元にあったのは希望や資金ではありません。 あったのは、「何としても這い上がる」という執念だけ。水産業界の経験も少なければ、包丁の握り方を教えてくれる親方もいない。はたから見ればまさに「無謀」とも言える船出でした。
しかし、「持たざる者」だったからこそ、見えた景色があります。 業界の常識にとらわれないからこそ、お客様が本当に求めているものに、誰よりも純粋に向き合えた。「どうすれば、この一杯の丼で一生の思い出を作れるか」「どうすれば、この一瞬の接客で旅の疲れを吹き飛ばせるか」。教わるのではなく、自ら問い、泥臭く学び続ける日々。その積み重ねが、いつしかお客様の驚きの声となり、笑顔となり、揺るぎない信頼へと変わっていきました。
私たちは、単に海鮮丼を売っている会社ではありません。「食を通して人材を育成し、観光・飲食業で顧客満足度No.1を目指す」これが、恵比寿桜の存在意義です。
荒波のような市場の中で揉まれ、世界中から訪れるお客様の期待に応え続けること。それは、人間を大きく成長させる最高の修行の場です。私が借金からのスタートで人生を切り拓いたように、ここで働くスタッフ一人ひとりにも、食というステージを通じて、自分の可能性を無限に拓いてほしい。人が育てば、料理はもっと美味しくなる。人が輝けば、お客様はもっと笑顔になる。この「人」と「食」の好循環こそが、石狩番屋の時代から脈々と受け継がれる北海道の底力であり、「恵比寿桜」のブランド力です。
石狩番屋の歴史ある風情を受け継ぎ、小樽の活気を未来へ繋ぐ。私たちは北海道の観光と飲食の最前線で、これからも恵比寿様のようなお客様の笑顔を、美しい満開の桜のように咲かせ続けます。
小樽の地で、皆様にお会いできることを心より楽しみにしています。
株式会社恵比寿桜 代表取締役社長 大村 剛士